あらすじ
明日、地球はクソデカ隕石のせいで滅亡する。
誰もが家族や大切な人と最後の時間を過ごす夕方、ぼっちで性格のキツい私は、一人で学校の屋上に侵入していた。スーパーのバーコードハゲのおじさんから買ったパックのサーモン寿司と、ファンタグレープ。それが私の、人生最後の晩餐だ。
醤油を雑にぶっかけ、いざ至福の時を迎えようとした瞬間、スマートフォンが鳴る。
着信は、私のたった一人の親友――カナメからだった。
「地球最後の日なのに……ちょっと相談に乗ってほしいんだけど」
どうせ、あの子が片想いしている『黄金色先輩』に告白するかどうか迷っているのだろう。あの子の性格なら、一瞬で分かる。
自分の気持ちを最後まで隠したまま、泣きじゃくる親友の背中を、私はいつものように憮然とした態度で押してあげる。
「ありがとう!! 大好きだよ重ちゃん!!」
スピーカー越しに響くあの子の言葉。けれどその「大好き」は、どこまでも親友としての意味しか持たなくて。
口に放り込んだサーモン寿司は、どうしようもなくしょっぱかった。
迫り来る隕石を見上げながら、私は屋上のコンクリートに仰向けになる。
伝えることだけが、愛じゃない。
地球最後のその日まで、あの子の最高の『親友』であり続けた私へ、78点の乾杯を。