あらすじ
大切な人を亡くしてから三日後の夜、主人公の右耳の奥で原因不明の耳鳴りが始まる。医者に診てもらっても異常はなく、日を追うごとにその音は奇妙な規則性を帯びていく。
やがて主人公は、その音を紙に書き取ってみることを思いつく。友人の力を借りて解読されたのは、まさかの「メッセージ」だった──。
音の導く先には、実家の裏庭で長年開かずの間となっていた古い蔵があった。子供の頃から近づくことを禁じられていたその場所へ、主人公は確かめずにはいられない衝動に駆られて足を踏み入れる。
そこで彼が耳にすることになる「音」の正体とは──。
「音」という感覚を軸に、記憶・喪失・そして届くはずのなかった声を描く短編ホラー。