あらすじ
※本編ビューワー 縦組み推奨
◆あらすじ
ごく一般的な女子高校生のミヤコはある日、超常的な存在『魔軍』の怪物に襲われる。
たまたま近くにいたこどもを逃がそうとしたミヤコは、魔軍の一撃で命を落としてしまった。
次の瞬間ミヤコの魂は、罪人が落ちる地獄の奥底にあった。
混乱するミヤコの前に現れる、『マグダラのマリア』を名乗る女。
彼女はミヤコに、「貴方の魂はすでに地獄に落ちた。これから貴方は、永遠の責め苦を受ける」と言う。
「しかしもし私の願いを叶えてくれれば、この運命を変えられる」と、続ける彼女。
その願いとは、聖女となり、この世に現れる『光の子』と『呪いの子』の戦いを止めること。
神の子である『光の子』と、神を裏切った『呪いの子』の抗争は、この世界を黙示録的な終末に陥れる。
それはミヤコにとって、逃れようのない選択だった。
仕方なく了承したミヤコに、マグダラのマリアは「どちらにしても地獄には代わりはないけれど」と脅し、
ミヤコに「他者の痛みを我が物とする『超共感<エンパス>』の力を、貴方に託す」と言い残して消える。
ミヤコが目を覚ますと、まだ魔軍の怪物が暴れていた。
何も状況が変わっていない! パニックになるミヤコだが、体に鋭い痛みが。
気づくと両手と頭に大きな傷が現れ、そこから血が流れはじめる。
それは、イエスの磔刑の痛みを再現する超共感――『罪科の聖痕<マグダレナ・スティグマータ>』の力。
ミヤコの体から光が溢れると、魔軍はその光によって跡形もなく消滅していた。
自分に超常の力が備わったことを知ったミヤコだが、死の痛みはあまりに負担が強く、失神してしまう。
するとその力の発現を知った、とある者達がミヤコを保護しにきた。
彼らは霊的国防組織『籠目<かごめ>』の構成員、犬束、浜渦、タオの三人。
ミヤコは『籠目』に入り、他の能力者達と共に『魔軍』と戦いながら彼らの痛みを癒やし、『光の子』と『呪いの子』を追うことに――
◆◆登場人物
◆甘南備 都<かんなび みやこ> 通称ミヤコ(17)
「近づかせてほしいんです。あなたの痛み、少しでもわかりたいから」
霊的国防組織『籠目(かごめ)』の新入りにして、女子高生聖女。
物語の最初で一度死亡するが、聖人『マグダラのマリア』によって復活。
聖女として光の子と呪いの子の戦いを止めなければ改めて命を失い、地獄で永遠の責め苦に遭う運命を背負う羽目に。
同時に他者・死者の痛みを体感する『超共感<エンパス>』の力を与えられてしまった。
さらにピンチになると真の力『罪科の聖痕<マグダレナ・スティグマータ>』を発現、周囲の魔軍を徹底浄化する。
性格はちょっと天然ではあるが基本は真面目。
当初はその強大な力を制御できず、上昇志向が強い者が揃う『籠目』では浮いている。
だが生来のお人好しっぷりに加えエンパスの影響で、
人の心の痛みに共感しやすい世話焼き性質になってしまったためか、男女問わず周囲の人間を惹きつけ懐柔する、全方面ハーレム体質が開花していく。
◆結城 タオ<ゆうき たお>(17)
「ミヤコぉ、また一人で悩んでるでしょ。タオちゃんに全部ぶつけてみ?」
ミヤコの同僚にして先輩、寮のルームメイト。
霊的な資質には乏しいが心霊科学に傾倒しており、作戦立案装備発案も担当。
戦闘が必要な際は、自身で開発した対魔軍用の特殊銃器を用いる。
低身長でスカジャン好き、ギザギザ歯、髪型も金髪メッシュウルフカットなど派手。
日ごろから大きいサングラスを使うなど、見た目は軽薄なギャル。
口が悪く上司にも平気でタメ口をきく。
現場でもミヤコと組まされることが多く、互いに文句も多いが気の合う凸凹コンビ。
◆犬束 志朗<いぬづか しろう>(17)
「ミヤコさん、僕、嬉しいんです。ミヤコさんと一緒に戦えるなんて光栄で……!」
ミヤコの先輩にして、タオの同僚。
線が細く童顔で、態度も柔和。頭はさほどよくないが、正義感は強い。
現場では常にミヤコを案じ、フォローもこなす。
ミヤコからは弟のように思われており、恋の相手として見られていないが折れない、恋する男子。
しかし物語が動くに従い、ミヤコからも大切な存在として想われるようになっていく。
動物霊に命令する力がある他、狼に変身する術『真神転身<ウルヴヘジン>』も使える。
◆浜渦 信命<はまうず しんめい>(20)
「自称陰陽師・浜渦信命、君を指導する。……本意じゃないが、任務だからな」
『籠目』のベテラン能力者にして、自称陰陽師。
高校時代から『籠目』の一戦で戦い続けている。
仕事熱心で理性的、毅然としたリーダー気質のイケメンで『籠目』の良心。
ただし常識人すぎて非情になりきれない一面もあり、作戦に迷うことも。
陰陽道の極意を体得しており、霊的存在をも蹴りつける『生死平等キック』が得意技。
他、長刀『ソハヤ』も使いこなす。
◆国場 春人<こくば はると>(外見18)
「殺さなければいけない……呪いの子はすべて、俺の手で……」
能力者殺しとして『籠目に』追われている人物。
ミヤコと同じ『エンパス』と『聖痕』の能力を持ちかつミヤコの力を上回る『髑髏丘の聖痕<カルヴァリー・スティグマータ>』を使うことが可能で、魔軍だけでなく生者をも寄せつけない光を放つ。
肉体的にも一般人や能力者の常識を超越しており、『籠目』でも神霊級と評される。
◆阿波野 未姫<あわの みき>(24)
「さあ、世に不快をもたらしましょう。嫌なら魂のチャンネルを変えなさい」
呪いの子復活をサポートする謎の団体『葦の会』の代表。
外見は20代の美しくセクシーな女性で、性格はとらえどころがない。
息をするように下ネタを言う癖があり、幹部に注意されがち。
古い神の末裔を自称し、犬束とは秘密裏に連絡を取り合っており、
日本により多くの『魔軍』を引き込んで、霊的国防力を削っている。
本人も強力な戦闘能力を持ち、その実力は『籠目』のエース級以上。
◆◆メインとなるキーワード
◆超共感<エンパス>
他人や死者の痛みを自分の体で再現できる、特殊能力。心の痛みにも反応する。
ミヤコは聖人の痛みと力も再現できるため、聖女と称される。
特に『聖痕』の力は、それが発する光が魔を一瞬で無に帰すほど。
◆霊的国防組織『籠目<かごめ>』
古くから日本の霊的国防を担い、超常的な存在『魔軍』と戦う秘密組織。
政府とは協力関係にあるが、独自の権限を持つ超国家的な結社である。
陰陽師や鬼の血を引く者など、『魔軍』と戦える者であれば年齢問わず誰でも迎え入れる。
戦闘班、開発班、情報班など内部的には複数の部門がある。
◆魔軍<まぐん>
本世界における悪魔・妖怪・怪異など超常的な存在の総称。
◆葦の会<あしのかい>
呪いの子を復活させようと暗躍する謎の組織。
国内外の魔軍を飼いならし、日本に放つことで霊的国防を弱らせている。