あらすじ
ある日突然、会社員の三鷹乃誠司は見知らぬ女性から告げられる。
「今あなたには、三十体の霊が取り憑いています」
霊なんて信じていなかった。
しかし、日本屈指の霊能者である阿倍野ササラですら祓えないという異常事態により、誠司は霊能者一族・阿倍野本家で保護されることになる。
一方その頃、街では原因不明の連続放火事件が発生していた。
燃え広がる炎。
人の心を侵す霊。
そして、人ではなくなる「怪異」。
霊は死者ではない。
人の強すぎる感情から生まれる存在。
やがて三十体の霊を宿す三鷹乃と、街を焼こうとする「火の霊」の運命が交差するとき、一つの街を巻き込む事件が幕を開ける。
優しい日常と怪異が交差する、現代オカルトファンタジー。
登場人物
三鷹乃 誠司(みたかの せいじ)
本作の主人公。
ごく普通の会社員だったが、三十体もの霊を宿していることが判明し、阿倍野本家へ保護される。
霊に侵食されることなく理性を保つ特異体質の持ち主で、その存在は一流の霊能者たちでも理解できない。
危険な状況でも冗談を忘れない、穏やかで人を思いやる青年。
阿倍野 マナカ(あべの まなか)
霊を見る力を持つ霊能者。
困っている人を放っておけない優しい性格で、三鷹乃を見つけたことから物語が始まる。
霊を見極める能力は一流。
阿倍野 ササラ(あべの ささら)
マナカの妹。
日本屈指の実力を持つ若き霊能者で、霊を祓う専門家。
気が強く毒舌だが責任感は非常に強く、危険な除霊も一人で引き受ける。
陣之内 洸太郎(じんのうち こうたろう)
阿倍野本家の門下生筆頭。
規律を重んじる真面目な青年で、本家の管理や護符、封印蔵の警備を担当する。
自由奔放な三鷹乃に振り回されながらも、危険から守ろうとする苦労人。
廣川 日向(ひろかわ ひなた)
門下生の一人。
一度見たものをある条件下において完全に記憶できる特殊能力を持つ。事件捜査では似顔絵作成や人物特定を担当する。
物静かな性格。
廣川 彼方(ひろかわ かなた)
日向の兄。
霊の気配をに匂いで察知する能力を持つ門下生。
放火事件の現場で犯人を追うなど、実働部隊として活躍する。
火の霊
人の強い憎しみから生まれた怪異。
人の心を少しずつ侵食し、やがて「怪異」へと変えてしまう。
街で起きる連続放火事件の裏には、この存在が深く関わっている。