あらすじ

ネットに残された怪談には、必ず“住所”がある。 フリーライターの久世真琴は、匿名掲示板や動画サイトに残された都市伝説を調べ、その題材になった土地を訪ね歩いていた。 怪異など信じていない。 奇妙な噂の裏には、忘れられた風習や災害、廃村の歴史がある――そう考えていた。 最初に追うのは、十八年前に投稿が途絶えた「返名箱」の怪談。 祖母の遺品から見つかった小さな木箱。 それが家に来てから、投稿者の姉は写真や記録、家族の記憶から少しずつ消えていった。 最後の書き込みに残されていたのは、 「母さんの実家があった村に、箱を返しに行く」 という言葉だけ。 古い郵便番号を手がかりに、地図から消えた山間集落へ向かった真琴は、そこで自分の名前が刻まれた箱を発見する。 箱には触れていない。 蓋も開けていない。 それなのに帰宅後、彼女の名字は別のものに書き換わり、死んだはずの母親からメッセージが届き始める。 怪談を追うたび、なぜか真琴自身の過去へ近づいていく。 これは、ネットの片隅に残された都市伝説の舞台を巡り、忘れられた故郷へと導かれていく女性の現代怪異譚。

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小説を読もう2026/07/19
  • 現在の作品怪談の住所を探しています。―ネット怪談の舞台を巡る女―