あらすじ
東京湾に出現した巨大な環状門。
その先には、一階ごとに別の世界が広がる塔型ダンジョン《天楼》が存在している。
攻略済みの階層からは貴重な資源が採れ、初めて階層を制圧した攻略者には、その土地を管理する権利が与えられる。
企業、国家、有名攻略団。
多くの勢力が《天楼》へ挑み続けていたが、攻略は三十九階で二年間止まっていた。
三百人を投入した公式攻略も失敗。
撤退中に橋が崩れ、三十七人の攻略者がボスのいる岩盤へ取り残されてしまう。
救助のため、三十八階の前線基地から迷宮救難局が出動する。
戦闘救助員の鳴海迅は、仮設橋の完成を待てない状況を見て、一人で谷を越えた。
迅の任務は、負傷者を守り、後続の救助隊が到着するまでボスを引きつけること。
だが、迅は三百人を退けた階層ボスを、救助活動の邪魔になるという理由で倒してしまう。
その戦いは、公式配信を通じて世界中へ流れていた。
これまで救助現場でしか戦わず、世間には名前すら知られていなかった青年。
大手攻略団からの勧誘を断った迅は、配信者の榊ひよりと小さな攻略団を立ち上げる。
誰かが失敗した後ではなく、今度は自分が最初に入るために。
立ちはだかる敵は正面から倒す。
面倒な手順は飛び越える。
道がなければ作ればいい。
救助が必要なら、全員連れて帰る。
一般には攻略不可能とされる階層を次々に突破し、そのたびに仲間、拠点、領地、視聴者を増やしていく。
これは無名の救助員が、世界攻略の最前線を奪い取る物語。