あらすじ
一世を風靡したゲームがあった。
大手ゲーム会社が集大成と銘打ったそのゲームは、シュミレーション要素あり、RPG要素あり、アドベンチャー要素あり。
圧倒的な自由度とやり込み深度、そして攻略サイトでもカバーしきれない程の分岐からなるマルチエンディング。
これまで幾人ものゲーマーがコンプリートトロフィーを手にしようと研究を重ねるも、発売から20年経った今もそれを手にした者はいない。
尤も、脱落を加速させたのは、メインヒロインであろうと選択肢次第ではバタバタと死んでいく激重なシナリオのせいでもあるが、これもまた作品の特異性を際立たせるものだった。
しかし全員を救うトゥルーエンドを求め、若くして大病を患い入退院を繰り返していと俺こと灰谷司は、生涯を【エンドレスライフ・ファンタジー】に費やした。
ようやくトロフィーを手に入れたと同時に、俺はその余命を終えた。
……かに思えたが、再び目を開ける機会が訪れた。
【エンドレスライフ・ファンタジー】におけるダークなシナリオのほぼ全ての原因となる極悪貴族にして中ボス、アルビオン聖王国オプシディアン辺境伯の嫡男ヴァルフレッド・フォン・オプシディアンとして。
これはバッドエンドを絶対に許さない男が、作中最強の能力と原作知識をフル回転させ、運命をひっくり返していく……そんな物語である。