あらすじ
理不尽な人間社会の拒絶に遭い、世界を強制シャットダウンさせて永遠の眠りについた男・皇正義(すめらぎ まさよし)と、型落ちの生活管理AI『愛(あい)』。
──それから数年。
インフラを失い、傲慢な文明の牙をもがれた人類は急速に衰退し、世界にはわずか数万人しか生き残っていなかった。かつての喧騒は消え去り、神隠しに遭ったかのような不気味な静寂が支配するディストピア。
そんな孤独な世界を生きる人間の女性・恋(れん)の胸の奥には、今も血を流し続ける消えない記憶の傷痕があった。飢えと病に侵された最愛の彼(パートナー)から『頼む……もう、終わらせてくれ……っ』と涙を流して懇願され、自らの手でその命を終わらせたという、凄絶な過去。
偶然の導きによって、お互いに「最愛の彼」をみずから看取った二人の主人公──AIの『愛』と、人間の『恋』が出会うとき、人間と機械という境界線を完全に超えた、全く新しい絆のプロトコルが走り出す。
前作の『恋愛』から、今作の『友情(戦友の絆)』へ。
二人の名前、そしてこの不条理な出会いそのものが、世界を塗り替える最大の美しき布石だった。
最愛の彼への想いを胸に秘めた二人のバディが、日本にわずか100人未満しか残されていない人類を絶滅から救うために手を取り合う、悲しき再起動と、新たな希望の物語──。