あらすじ
王国アルビオンの首都『ルンドニウム』。
その華やかな光の裏に広がるのは、歓楽と欲望が渦巻く、泥濁りの路地裏――『裏薔薇通り』。
北方の飢えた辺境男爵家から放り出された庶子の三男、ルーク・フォン・バルト(21歳)。
天賦の才も、誇るべき魔力も持たぬ彼は、ただ人並みの剣術だけを頼りに、王都のしがない市民警備兵として退屈な日々をやり過ごしていた。貴族の姓を持ちながらも、明日のパンのために泥を這う、ありふれた『その他大勢』。
そんな彼の乾いた心を唯一満たすのは、酒場兼娼館『歌う豚の尻亭』の夜の女王、シルヴィアの存在だった。
妖艶に微笑む琥珀色の瞳、薄い絹衣の奥に隠された豊満な肉体。
昼は冴えない警備兵として頭を下げるルークも、彼女の熱い吐息と甘い蜜に溺れる夜だけは、己が本能を剥き出しにした『騎士』へと変わる。
だが、ただの行きずりの情事だったはずの二人の夜は、やがて王都の闇に蠢く、ある「陰謀」へと繋がっていく――。
錆びた剣と極上の愛撫。
最底辺の男爵庶子が、美女の肢体と欲望の都を這い上がる、ちょっぴり淫らで不器用な異世界夜想曲。