あらすじ
花が好きな女子高校生・花咲蕾には、誰にも真似できない特技がある。それは、花言葉や花の状態から、人の心に隠された想いを読み解くこと。
ある日、クラスメイトの白石誠司と共に園芸部の手伝いをしていた蕾は、近所の古い屋敷で起きた老婦人の死を知る。遺体のそばに残されていたのは、白いスズランの花束。「再び幸せが訪れる」という花言葉を持つ花が、なぜ死のそばに置かれていたのか。
その小さな違和感をきっかけに、蕾と誠司は、花に託された声なき謎を追い始める。黒いバラが告げる裏切り。空を見ないひまわりが抱える記憶。色を失ったアジサイに封じられた願い。そして、桜の下で交わされる約束。
花は言葉を話さない。けれど、誰にも言えなかった悲しみも、忘れられた記憶も、届かなかった想いも、その花びらの奥に静かに残している。
花を愛する少女と、彼女を支える少年が、花言葉を手がかりに人々の心と事件の真相を解き明かしていく、青春フラワーミステリー。