あらすじ
二十歳のアルバイト、不破厄――通称ヤクさんが虹色のカプセルから手に入れたのは、固有スキル《ラッキースケベ》だった。
成人女性との偶然の事故が起きるたび、身体能力が永久に上昇する。だが、魔物を倒しても経験値を得られず、レベルは一のまま。
わざとでは発動しない。それでも周囲から見れば、ただの変態である。
「こんなスキルで強くなる前に、社会的に死ぬ!」
固有スキルを消せる《消去の宝珠》は、ダンジョンガチャの虹色カプセルから出るという。
スキルを消すため探索者となったヤクさんが、次の虹色から引き当てたのは、戦闘能力を持たない銀髪の機械少女アンズ。
「ヤクさん。先ほどの事故により、筋力の上昇を確認しました」
「人前で報告するな!」
やがて、金色のカプセルから語尾に「~っぴ」をつける白くて丸い鳥まで加わり、慎重だったはずの探索は予想外の方向へ転がり始める。
強くなりたいわけではない。
事故を起こしたいわけでもない。
ただ、このスキルを消したいだけなのに――。
空気を読まない機械少女と余計なことをしゃべる白い鳥に見守られながら、ヤクさんは今日も健全な探索者を目指す。