あらすじ

侯爵家に嫁いだエルシェ・ヴァルニエは、姑から毎日のように「子を産めない役立たず」と責められ、夫からは妻としても人としても顧みられない日々を送っていた。 それでも家のため、夫婦のため、いつか報われる日のために耐えていたエルシェだったが、ある夜、夫の愛人が自分の実妹リュネットだと知る。 さらに実家からも、 「妹の幸せを壊すな」 「お前は姉なのだから譲りなさい」 と突き放され、エルシェの心は完全に折れる。 離縁後、行く場所を失った彼女が流れ着いたのは、雪に閉ざされた北の辺境、ローヴェル公爵領。 そこで彼女は、冷淡な氷の公爵と噂されるセドリック・ローヴェルに拾われる。 最初はただの保護だった。 しかしエルシェは、荒れた帳簿、滞った流通、使用人たちの不満、領民の困窮を見抜き、少しずつ公爵領に春を運んでいく。 雪しかなかった場所に、パンの匂いが戻る。 閉ざされていた屋敷に、笑い声が戻る。 誰にも選ばれなかった女が、今度は自分の手で居場所を作る。 そして冷たいと噂された公爵は、彼女だけに静かに告げる。 「君は拾われたのではない。俺の領に、春を連れてきたんだ」

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エブリスタ
エブリスタ2026/07/18
  • 現在の作品夫の愛人は妹でしたが、雪の辺境で拾われた私は公爵家の春になる