あらすじ
僕が6歳の頃、母が亡くなった。その日から、結構、手放して来た人生だったと思う。
だけど、別に楽しくない訳じゃない。それなりに生きてるし、それなりに楽しんでる。
月日が勝手に流れて、僕は18歳になった。相変わらず愛想なしの、無口と言われる日々だけど、何故かずっとへばり付いてる奴がいる。
高校入学からの三年間、この園《その》に振り回されてる。お陰で、息も切れるほど退屈しない毎日だった。僕が今笑ってるのは、全部、園が居たからだ。
本当楽しすぎて、また離れる辛さを思い出した。ああ・・また手放さないと・・
その思いを閉まったまま20歳になった僕は、仕事の最中に見つけてしまった。
「え・・?同じ店の名前だよね・・」
忘れもしない、いや、ずっと頭の片隅にあったこの名前を。
燻ってた思いが、手放した時間が、少しずつ揺り起こされる。
僕の友達だった園。ずっと頭に引っ掛かってた彼女。同居人。
「ねぇ夕月《ゆづき》さん、僕を知っても・・」
不通な僕が普通に恋をする。