あらすじ
自死した魂だけが辿り着く、境界の湖。
そこには、黒い燕尾服を纏う少年・冥がいる。
彼は死神でも神でもない。
自ら命を絶った罪により、「魂の番人」という終わらない罰を与えられた存在だった。
彼の役目は、迷える魂の最期の願いを聞き届けること。
蝶となって輪廻へ還るか、それとも霊として現世に留まるか――その選択だけは誰にも奪えない。
生きることに疲れた少年。
誰にも助けを求められなかった少女。
大切な人を遺して逝った父親。
それぞれの後悔と祈りに触れるたび、凍りついていた冥の心にも少しずつ変化が訪れる。
そして彼自身もまた、忘れていた”自らの罪”と向き合うことになる――。
これは、死者を裁く物語ではない。
生きられなかった人々の想いを紡ぎ、ひとりの少年が救いを探し続ける、切なく美しいダークファンタジー。