あらすじ

十五年前の夏。 学校へ行けなくなった高校二年生の美波は、祖母の暮らす小さな島で、漁師を目指す少年・海斗と出会う。 連絡先も知らない。 既読も、返信の速さも、駆け引きもない。 会いたいと思えば会いに行き、 好きだと言われれば、その言葉をそのまま信じた。 海辺の自動販売機。 冷たいサイダー。 祭りの花火。 触れ合った小指。 冬に東京で会おうと交わした約束。 けれど夏の終わり、美波は島を離れ、二人の恋は一通の届かなかった手紙とともに途切れてしまう。 それから十五年。 仕事にも恋愛にも慣れ、人の言葉を疑うことばかり上手くなった美波は、祖母の家を片付けるため、再び島を訪れる。 そこで見つけたのは、海斗があの夏に書いた、彼女へ届かなかった手紙だった。 忘れられなかったのは、昔好きだった人なのか。 それとも、誰かを疑わずに愛せた、あの頃の自分なのか。 夏の海と記憶の中をたどりながら描く、 一夏で終わっても、一生消えない恋の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/07/18
  • 現在の作品あの夏を疑えなかった