あらすじ
記憶は、誰のものなのか。
小説を書き続ける青年・神崎悠斗は、ある日を境に、自分の記憶に“欠落”があることに気づく。
思い出せない一日。存在しないはずの原稿。消えたはずの人物。
耳元で鳴る乾いた「カチ」という音。
現実へ割り込む無機質なシステムログ。
そして、少しずつ食い違っていく世界。
やがて悠斗は、自分の記憶だけでなく、この世界そのものが何者かによって管理されているという、決して知ってはならない真実へ辿り着く。
世界を維持するシステム「ROOT」。
終了したはずの人格。
消えないバックアップ。
繰り返される選択。
そして彼は知る。
“自分の小説”だと思っていたものが、誰かの観測ログであったことを。
守るべきなのは世界か、それとも、たった一つの約束か。
これは、記憶と人格を巡るシステムホラーであり、人間であることの意味を問いかけるSFサスペンス。
最後に明かされる真実は、あなたの世界の見え方さえ静かに書き換えていく。