あらすじ
はるか未来の地球。荒野が広がる中で、円形の森に囲まれた国があった。
凡人でありながら、荒野に現れる怪物「妖魔」と戦う結絃(ゆづる)。
口は悪く愛想もないが、誰よりも仲間想いな彼は、偽りの平和の中で戦いの日々を過ごしていた。
──しかし、とある任務で結絃は決定的な「世界の狂気」に直面する。
討伐対象である人形妖魔の呪術によって、仲間の盛人(もりひと)は重傷を負う。
そしてその瞬間、結絃の頭から、共に死線を潜り抜けてきたはずの親友の存在が『消去』されてしまったのだ。
村へと帰還した結絃。
誰もがその存在すら忘れる中で、結絃の胸に去来する、得体の知れない「空白」の違和感。
「俺は、誰か大切な奴を忘れていないか……?」
自身の記憶の異常に苦悩する果てに、原因が人形妖魔にあると思い至った結絃は、再び危険な荒野へと向かう。
一方、その裏では聖樹を守護する騎士団が不穏な暗躍を始めていた。
結絃は失った記憶を、そして世界の謎を取り戻すことができるのか──。
偽りの楽園を舞台に、奪われた記憶と絆を取り戻すための戦いを描いた、ディストピアSFダークファンタジー。