あらすじ
クラスと共に異世界へ召喚された、底辺を自称する一般生徒の佐藤春樹。
クラスで孤立し、何の長所も持たず、特別な才能や素質を持つ者を羨む彼は、異世界であっても同じだった。
「勇者」や「雷帝」と、華々しい異世界人だけの特別なスキル。
それらを得て歓喜するクラスメイトの中、彼が得たのは「堕落」、自分の見た目を変えるだけという役に立たないゴミスキルだった。
自然と役立たず認定され、そして最後には迷宮のボス討伐のついでに殺されかける事になった。
だが、春樹はそこで「堕落」の真の使い方へと目覚める。
自らの存在を願望で上書きし、より強大な姿と「過去」を得る。
変異した生物を使役し、毒を使う人外の王。
深淵教団を率い、安寧を世界にもたらすと謳う教祖。
厳重な契約で民間傭兵企業を管理する、恐怖の軍司。
有り得なかった架空の世界は、能力によって具現化し、三人の「春樹だった者達」が手を差し伸べた。
覚醒した「堕落」は、自分を”もしもの世界の自分自身”へと上書きするものだったのだ。
――――そして、他人をも、意のままに。
力を得た彼は、復讐を決意する。
その復讐は、自分の過去、そして世界全てに対して向けられた。
欲望も、憎悪も、羨望も、悲観も、夢想もない復讐。
それは即ち――――衝動である。
力を得て、やりたいように生きる物語。
倫理も道徳もなく、ただ衝動だけの復讐譚。