あらすじ
イタリア裏社会の頂点に君臨し続ける、百年の歴史を持つマフィア組織――エンピレオ。
ローマを拠点とするその総本山は、最高機関「ローザ・チェレステ」による合議制のもと、長きにわたりイタリア全土の秩序を支配してきた。
三年前、イタリア全土を巻き込んだ大抗争はエンピレオの介入によって終結し、ナポリを支配するインフェルノ・ファミリー、シチリアを支配するパラディーゾ・ファミリー、そして北部の勢力リンボ・コンソルツィオは、不本意ながらも均衡を保ち続けていた。
停戦協定の更新を目的とした定例会議。その舞台として選ばれたのは、中立都市ミラノ。
しかし会議の開幕を目前に、ローザ・チェレステの一人が何者かに殺害される。
天上の薔薇への凶刃は、すなわちエンピレオへの宣戦布告。
残された薔薇たちは会議場を封鎖し、三大組織へ絶対命令を下す。
「会議終了まで、誰一人ミラノを離れることを許さない。」
「天国、地獄、そして辺獄は共同で犯人を見つけよ。」
「見つからなければ、三組織すべてを共犯と見なす。」
こうして否応なく手を組むことになったのは、「地獄王」の異名を持つインフェルノの主、アルベルト・インフェルナーレ。
「太陽の貴公子」と謳われるパラディーゾの主、アレクサンダー・M・ルチアーノ。
「薄明の麗人」と恐れられるリンボの主、アンドレア・L・ヴィルジーリオ。
そして、大魔女ベアトリーチェの孫であり、国際魔女連盟プルガトリオの見習い執行官 フランチェスカ・P・メルカダンテ。
互いを信用せず、互いを侮り、互いの足元を狙い続ける四人は、閉ざされたミラノで殺人事件の真相を追うことになる。
――イタリア裏社会に君臨する真の「王」は、誰なのか。