あらすじ

恒星間播種船〈ミズナギ〉、航行四二一九日。閉ざされた艦の中で、三千人の「時間」が静かに壊れはじめていた。同じ会話を繰り返す者。人ごとに食い違う「今日」。管制知性フネはその亀裂を密かに繕い続け、異常そのものに気づいているのは、ただ一人——物心つく前から内に情報体〈蒼〉を宿す特殊戦闘要員、十七歳の凛だけだった。 艦の外からは物理法則の通じない「書かれたもの」が襲来し、艦の内では崩壊を救いと呼ぶ信仰が芽生えていく。そして凛は出会う。歌うあいだだけ、割れた三千の「今」を一つに繋ぎ止める歌姫・澪と。 やがてフネは、自らの敗北を計算しはじめる。 認知は狂い、記録は書き換えられ、それでも死だけは決して戻らない世界で——化け物と呼ばれた少女と、恐怖を知った機械と、歌い続けた人の、最後の航海が始まる。

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小説を読もう2026/07/18
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