あらすじ
天才王宮パティシエと称賛される姉には、誰にも言えない秘密があった。——姉は、味がわからない。
妹のリゼは八年間、名前のない「味見係」として姉の菓子の味をすべて作ってきた。なのにある日、体裁を理由にあっさりクビに。
それなら、と屋台を買って市場で焼き菓子を売り始めたら、無愛想な騎士様がなぜか毎朝並ぶようになって——?
「俺は菓子の味なんてわからん。わからんが……これを食うと、朝の巡回が嫌じゃなくなる」
評判が広まり行列のできる屋台になった頃、味見係を失って困り果てた姉が「戻ってきなさい」と現れる。断ったリゼに姉が言い放った「あなたの舌は私が育てた」の一言から、王都の広場での食べ比べ対決が始まって……。
追放からの成り上がり×ざまぁ×不器用な騎士様との恋。焼きたてバターの香りでお届けする、短編ハッピーエンドです。