あらすじ
目が覚めると、俺――菊池隼汰を取り巻く世界は変わっていた。
同じ家。
同じ学校。
同じ家族。
なのに、誰もが俺を嫌っている。
義姉には存在を無視され、幼馴染には拒絶され、学校では「暴力野郎」と呼ばれていた。
どうやら、この世界の『菊池隼汰』は、俺の知らないところで多くの人を傷つけていたらしい。
俺が知っている世界とは、何かが違う。
元の世界へ帰る方法を探すため、俺はこの世界の自分が何をしてきたのか調べ始める。
過去は変えられない。
それでも、自分が傷つけた人たちを放っておくことはできなかった。
謝り。
働き。
困っている人がいれば手を差し伸べる。
ただ、自分にできることをしただけだった。
そのはずなのに――。
俺を嫌っていたはずの彼女たちとの関係が、少しずつ変わり始める。
そして俺は、まだ知らなかった。
いつか元の世界へ帰ろうとする俺に、彼女たちが告げることになる。
「絶対に、帰さない」
これは、別の世界線で嫌われ者になっていた少年が、人間関係をやり直していく物語。
そして――。
彼を嫌っていた少女たちの感情が、少しずつ歪んでいく物語。