あらすじ
全く同じ人生を記憶をリセットされて繰り返す、人類の「灰色の輪廻」。
しかしある時、バグか奇跡か、全人類が「前世(1周目)の記憶」を完全に保持したまま、赤ん坊として生まれ変わってしまう。未来の知識と過去の怨恨を抱えた大人たちが幼児の体に閉じ込められたことで、社会制度や経済は崩壊し、世界は瞬く間に狂気と混沌の「二周目」へと突入した。
前世で信じていた恋人に裏切られ、通り魔に見せかけて惨殺された女性・白石結衣。彼女は絶望の中、「今世ではもう誰の台本通りにも生きない、誰も信じない」と孤独に生き抜くことを誓う。
一方、前世で結衣が殺される現場に居合わせながら、恐怖のあまり見捨てて逃げ出した青年・蒼井湊。深い罪悪感とトラウマに苛まれたまま事故死した彼は、狂った世界で目覚め、「今度こそ彼女から逃げない」と贖罪を胸に誓う。
世界が二周目に入って4年後。不自由な幼児の体で必死の捜索を続けた湊は、ついに結衣を見つけ出す。しかし、前世の絶望と人間不信を抱える結衣は、湊の謝罪を「自己満足の偽善」と冷酷に跳ね除け、激しく拒絶するのだった。
「二度と私の前に現れないで」と背を向ける結衣に対し、湊は「今度こそ絶対に逃げない」と、彼女の孤独な心と向き合い続けることを決意する。
復讐と不信に囚われた女と、臆病な過去からの贖罪を求める男。
全人類が結末を知る「強くてニューゲーム」の異常な世界で、交わるはずのなかった二人が、やがて全人類の輪廻を破り「誰も知らない未来」を切り拓いていく、絶望と再生のSFヒューマンドラマ。