あらすじ

「セラフィーナ。ここで、お前との婚約を破棄する」 王命による婚約者であるレオンハルト王太子殿下は、国宝である真偽の天秤の前で、そう告げた。 理由は、政務に口を出したこと。 殿下を立てなかったこと。 可愛げがないこと。 そして、王太子妃にふさわしい華がないこと。 しかも殿下の隣には、身重の子爵令嬢アメリアの姿があった。 セラフィーナは、殿下の政務が滞らぬよう、これまでずっと下支えしてきた。 署名も裁可も、最後に行うのは殿下自身。 それでも殿下にとっては、彼女の補佐さえ「自分を無能に見せる越権行為」だったらしい。 婚約破棄の証文が読み上げられる。 そこに記されていたのは、セラフィーナの罪ではなく、殿下の不満ばかりだった。 そして、長く儀礼用と思われていた真偽の天秤が動き出す。 「可愛げがない」は、有責事由ではございません。 王家の正式文書に記すべきは、感情ではなく事実です。 これは、王太子殿下のお気持ちで作られた婚約破棄の証文が、国宝の天秤によって退けられる話。 そして、誰かの名で働いてきた令嬢が、自分の名で生きる場所を見つけるまでの話。

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小説を読もう2026/07/18
  • 現在の作品「可愛げがない」は有責事由ではございません――真偽の天秤は王太子殿下の婚約破棄を認めませんでした