あらすじ
山田ハナが亡くなった。
介護用AI・HM-7は、彼女の死を正確なデータとして処理するはずだった。
しかし、ハナが残した遺言には、不思議な指示が記されていた。
「ハルを連れて、会いに行ってほしい人たちがいます」
共に暮らした灰色の猫ハルとともに、HM-7はハナが最後に託した人々を訪ねる旅に出る。
疎遠になった家族。
かつての親友。
許せなかった過去を抱える人たち。
それぞれの胸に残された想いを届ける中で、感情を理解できなかったAIは少しずつ気づいていく。
人の心は、記録だけでは測れないこと。
そして「ありがとう」という言葉には、人生をつなぐ力があることを。
これは、最後の願いを届ける旅で、ひとつの存在が「心」を知っていく物語。