あらすじ

草原は、風に喰われていた。 触れた端から記憶を奪い、存在を霧散させる「忘却の旋風」。その猛威に晒されるモンゴル帝国で、ハーン・テムジンは誰よりも強く風を纏い、ゆえに誰よりも早くこの世から消えようとしていた。 彼の「重石」として差し出されたのは、影を失いかけた少女・アルタニ。 彼女の指先が紡ぐのは、目に見えぬ「風の結び目」。 消えゆく王の鼓動を、自らの命を削り出した黄金の糸で、大地へと縫い付けていく。 「貴方が風に還るというのなら、わたくしが世界ごと縫い固めて差し上げますわ」 圧倒的な透明感と、その裏側に潜む静かなる狂気。 救済か、あるいは永劫の拘束か。 蒼き狼の末裔と、彼を縛り抜くと誓った巫女が織りなす、美しくも残酷な幻想叙事詩。

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エブリスタ
エブリスタ2026/07/16
  • 現在の作品蒼狼の草原と風の調律