あらすじ
『ねぇ、私の過去を知っても、愛してくれますか?』
──あの夜、私はすべてを奪われた。
決して消えない傷を心に刻まれ、人生を、未来を、そしてかつて周りに美しいと賞賛された容姿さえも徹底的に破壊された女。
彼女は、決意をする。
家族と決別し、あえて「ブス」と言われる別の顔に整形し、ひっそりと別人になりすまして。過去と決別し生きていくために。
そんな彼女が生活のために始めた夜の飲食店の副業で、ひとりの男と出会う。
ぶっきらぼうだけど、誰よりも脆く、どこか深い悔恨を抱えた男。
周りの誰もが彼女の「醜い容姿」を嘲笑うなか、彼だけは、彼女のひたむきで美しい「中身」をまっすぐに見つめてくれた。
「俺は、お前がいい。お前じゃなきゃダメなんだ」
傷を隠した二人が寄り添い、お互いを「唯一無二の救い」として、静かに愛を育んでいく。
やがて訪れる、結婚の約束。あまりにも完璧な、幸せの絶頂。
──けれど、二人はまだ何も知らない。
彼女のすべてを奪い、地獄へ突き落とした「悪魔の引き金」を引いた男が、すぐ隣にいることを。
お互いの過去を何も知らないまま惹かれ合った二人の、完璧な愛と、完璧な崩壊。
最後に暴かれる、あまりにも残酷で美しい「泥」の真実とは。
──泥で汚れたまま生きることができるか。
──自ら汚した泥を飲み干す勇気が持てるか。
人間の、誰もが抱える捨てられないプライドと醜い本性の物語。