あらすじ
ねえ、おねえちゃん。
ときどき、消えてしまいたく、なることとかが、あったりしない?
リュウヤが、そんなことをぼそっとつぶやいた、その次の日に。
リュウヤは、そのまま帰らなかった。
学校帰りに、ランドセルを背負ったそのままで。
誘拐事件か、何かかと。
全国のニュースにもなったけど。
けっきょくリュウヤは、戻らなかった。
ただ、わたしの机の上に、ひとつ、
リュウヤの書いた1枚のメモが、
わたしにあてて、残っていたけど。
『おねえちゃん、ごめん。
ぼく、行くよ。石犬のくにへ。』
そう、ひとことだけ、鉛筆の字で書いてあった。
それだけ残して、リュウヤは消えた。
行方不明の弟をさがして、
姉のリツは、ダム湖のむこうのトンネルにむかった。
都市伝説で有名な、「かたぎはらトンネル」のその奥へ。
失われるもの、失いたくないもの。
子供たちの、過去と未来が交錯していく児童文学ファンタジー。