あらすじ

五分だけ待って。その声は、本当に誰かを救ったのか。

顔も名前も出さず、声だけで夜の配信を続ける青年・目黒湊。

配信名は、ヨル。

彼の配信には、眠れない人、学校へ行けない人、家に帰れない人、死の直前で立ち止まる人たちが集まってくる。

湊ができることは、解決ではない。

ただ、声をかけること。

「五分だけ待ってください」

その一言で、湊は画面の向こうにいる誰かの夜を、何度もつなぎ止めてきた。

けれど、ある屋上の少女を救った夜を境に、湊の配信には少しずつ違和感が生まれ始める。

救ったはずの人が、同じ場所へ戻される。

守るために伏せたはずの名前が、別の場所で浮かび上がる。

誰かを助けるための言葉が、いつの間にか誰かを追い詰めるものへ変わっていく。

そして湊自身も、自分の声の中にある別の感情から目を逸らせなくなっていく。

声は、人を救えるのか。

それとも、声だけでは届かない場所があるのか。

これは、夜の底で誰かを救おうとした青年と、救われたあとも痛みを抱え続けた人たちの物語。

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アルファポリス
アルファポリス2026/07/17
  • 現在の作品サイレントライン ―その声は、誰を救ったのか―