あらすじ
高校二年生の美空絵馬は、男子を認識できない少女・白波琥珀と出会う。琥珀には絵馬を除いた男子の姿や声を認識できず、その原因は「思念性プラシーボ」と呼ばれる、強い思念が現実にまで影響を及ぼす細胞の異常現象にあるとされていた。
絵馬は現象の解決に乗り出すが、その異常は琥珀個人ではなく、彼女を取り巻く人々の感情や関係性に深く結びついていることが明らかになっていく。
誰かを守りたいという願い、失いたくないという執着。
感情が現実を書き換え、人の認識や記憶にまで影響を及ぼしていた。
存在や記憶さえも揺るがす思念性プラシーボの前で、現実へ導かれた感情の在処を受け止めることはできるのか。
これは、心が現実を侵食する世界で、人と人との繋がりの意味を問い続ける、少しだけ不思議な物語。