あらすじ

「こうすれば、いけるかもしれない」 その一言を口に出した瞬間、七海蒼は引き返せなくなった。 精密機器メーカーに勤めるエンジニアの蒼は、知人・黒田賢治の抱えていた技術的な課題を解いてしまった。善意だった。解くこと自体が好きだったから、それだけのことだった。 しかし気づけば、特許出願のプロジェクトに深く関わっていた。費用はすべて出す、権利は分け合う——黒田の言葉はいつも、ちょうど理にかなっていた。 弁理士との面談、深夜に届くLINE、中国人投資家の影。 やがて蒼は気づく。自分は知らないうちに、誰かの「構図」の中に置かれていた、と。 武器になるのは、感情ではない。事実だけだ。

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カクヨム
カクヨム2026/07/17
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