あらすじ
外務省で「給料泥棒」と蔑まれる54歳の窓際族、加藤哲也。薄くなった頭髪をバーコード状に整え、ヨレヨレのスーツで定時退社と立ち食いそばを愛する男。
しかし彼の正体は、かつて裏世界で恐れられた伝説の凄腕スパイ「ファントム」だった。
ある日、国家を揺るがす次世代軍事技術「神威」の横流しを阻止するため、加藤は特命を受けてバンコクへ飛ぶことに。
同行するのは、加藤を徹底的に見下すエリート若手官僚の高木(28歳)。最新鋭のセキュリティ網や重武装のテロリスト、そして腐敗した国家の黒幕を前に、加藤の”最強のアナログステルス”が炸裂する。
「加齢臭スプレー」で敵を遠ざけ、「入れ歯型煙幕弾」で視界を奪い、「哀れなおじさんの演技」で監視カメラの目をすり抜ける。
「僕たちが守るのは、国じゃない。四百円の日常だよ」
決して表舞台には立たない、世界一静かでカッコいいおじさんの極秘任務が今、幕を開ける。