あらすじ
夢朔燎は昔から時たま、未来の夢を見ることがあった。
見た内容は変えられない、ある種の予知夢。それ故に無気力だった彼の生き甲斐は──推しの存在だった。
彼と同い年の女の子が配信上で頑張っているのを見て、救われていた。彼女がもっと有名になって、羽ばたいてくれればそれで良いと思っていた。
そんなある日、予知夢を見た。
今から三年後、彼女が失意と絶望の中配信活動を引退するという夢だった。
ふざけるなと思った。それだけは認められない、と。
ならばどうする? 決まっている──それだけは変えるのだ、自分が。
その日から、燎の規格外の努力がスタートした。
推しの苦悩を理解するため推しと同じ配信活動を始め、それ以外にも絵や音楽など、推しとその仲間たちが直面しうる困難を全て自分が解決できる力を得るために。
全ては推しを救うため。その一心でひたすらに燎は努力を重ね……そして三年後。
「燎がいるなら、なんだってできる。だから絶対離さないよ?」
「また、取材の協力してよ。……あくまで取材、だから」
「歌の練習、一緒にしよ? 君と居ると、新しいアイデアがどんどん湧いてくるの」
……なんか、とんでもない勢いで推しとその仲間の天才達に懐かれてるんだけど。
ただ推しを救えればそれで良くて、後はフェードアウトするつもりだったのに……どうしてこうなった?
そんな、無自覚に規格外の努力で天才たちに喰らいついてしまった少年と、彼に救われた孤独な天才たちが最高の高校生活を過ごす、少し不思議な青春のお話。