あらすじ
王太子ルイから、突然の婚約破棄。
その隣には、新たな婚約者として新興貴族の令嬢が立っていた。
――けれど、クレールは取り乱さない。
王都の流れも、その選択の意味も、すでに読めていたから。
王家の財政を揺るがす変化の中で、古い家柄よりも“力”が選ばれる。
その結果が、この婚約破棄だった。
そして、その場にはもう一人。
第二王子リュシアン。
「殿下が手放されたのであれば、この方は私が預かる」
その一言は救いではない。
新たな盤面の提示だった。
婚約破棄のその日、クレールはすでに次の一手を選んでいた。
選ばれなかったのではない。
私は、私を選ばない人を選ばないだけ。