あらすじ

入植十三年目の寄港惑星リーフ。三千年の航海の果てに、ようやく 地面を手に入れた人々は、生まれて初めて、未来の話をしていた。  この星で生まれた最初の世代の少年セロは、ある日、仲間たちと 管理区域の柵を越える。森の奥で見つけたのは、生きた木を編んで 育てられた、三十七の家。金属も直線もない、誰かの村だった。  蓄えは残り、道具は使いかけ。暮らしは「途中」で止まっている。 物はぜんぶあるのに――者だけが、いない。  歩数で地図を引き、痕跡を写し、数を取り。観察と記録だけを 武器に、少年は推理の梯子を一段ずつ登っていく。けれど、浮かれる 大人たちは、優しく笑って首を振るだけだった。 《入植前に生命反応の走査は済んでいる。知的生命体:存在しない》  誰も悪くない。誰も嘘をついていない。それなのに、真実だけが、 どこにも受け取られない。少年がたどり着く最後の一段と、それを 待ち受ける、この世界でいちばん優しい結末とは――。  少年の探索と推理で綴る、惑星ミステリーSF。  『新・帰還する星』本編の約110年前を描く完全独立の外伝です。  本編・前日譚を未読でも、この一作だけでお読みいただけます。

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カクヨム2026/07/17
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