あらすじ

昼から開いている夜喫茶「片隅」を舞台に、名前も知らない誰かから届く一品と、答えのない悩みを描きます。 『あちらの方から』へようこそ。 昼から開いている、夜喫茶「片隅」。 ここでは、ときどき何も頼んでいない客の前に、一杯の飲み物や一皿の料理が置かれます。 「私、まだ注文してませんけど」 そう言われると、店員はカウンターの奥を指して、こう答えます。 「あちらの方からです」 その先にいるのは、名前も知らない誰か。 少し前まで、自分もひとりで答えを探していた人です。 この物語には、ひとつの正解はありません。 意見が合うこともあれば、最後まで分かり合えないこともあります。 自分を救った言葉が、別の誰かには届かないこともあります。 それでも、ひとりで抱えていた問いを誰かと少しだけ眺めることで、帰る頃にはほんの少し呼吸がしやすくなる。 そんな一話完結型の連作短編を、ここに集めていきます。 店主の宗一郎が料理を作り、息子の朔が客へ届けます。 旅の途中にいる小春から届いた土地の食材は、その日のお通しになります。 朝の始まりに。 眠る前の静かな時間に。 ひとりぼっちだと感じる日に。 「私だけではなかったんだ」と思える一話が、ここにありますように。 夜喫茶ですが、昼から開いています。 どうぞ、空いている席へ。

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カクヨム
カクヨム2026/07/17
  • 現在の作品『あちらの方から|夜喫茶「片隅」の物語』