あらすじ
建設現場で働く父親は、事故によって突然命を落としてしまう。死の間際、彼の脳裏に浮かんだのは、幼い息子と交わした「海へ連れて行く」という約束だった。果たせなかった約束への後悔を抱えたまま魂だけの存在となった父親は、最後にもう一度息子へ会うため、自宅へと向かう。
眠る息子の姿を見た父親は、せめて夢の中だけでも約束を果たそうと考え、息子の夢の世界へ入り込む。そこで二人は海を目指してドライブへ出発する。初めて見る海を心待ちにする息子と過ごす時間は、父親にとってかけがえのないものだった。しかし、夢の終わりとともに訪れる「別れ」を恐れた父親の愛情は、次第に歪んだ執着へと変わっていく。
やがて父親は、息子を現実へ帰さないという選択をしてしまう。愛する者を失いたくないという願いが招いた悲劇の果てに待つものとは――。