あらすじ
三ヶ月前に最愛の姉を亡くし、心にぽっかり穴が開いたまま日々を過ごす17歳・水無月朔。誰にも分かってもらえない寂しさを抱えていた彼の前に、「ルミネリエ」という羽根のある少女が現れる。
「少しだけ、あなたのものを分けてほしい」
彼女はそう言って、朔の一番近くに寄り添い、少しずつ「朝の目覚めの感覚」「雨の匂い」「姉との思い出の温もり」——日常の当たり前から、自分自身を形作る大切なものまで、一粒ずつ分けてもらっていく。
ルミネリエはどんどん人間らしく温かくなり、逆に朔は自分が自分でなくなっていく違和感に襲われる。やがて周りの人々は、ルミネリエを「水無月朔」だと思い込み、本当の朔は「どこにでもいない存在」になってしまう。
全てを受け取ったルミネリエは、完全な人間として朔の人生を歩み始める。そして朔は、大切なものを全て奪われた代償として、新しい「妖精」となり、