あらすじ
明治の帝都。人々の負の感情から生まれる「穢れ」が、街に瘴気災害を引き起こしていた。
鈴白小春は、草花の精霊の声を聞き、人の心身を癒やす不思議な菓子を作る菓子職人。しかし、その力を恐れられ家族からも「呪いの菓子を作る娘」と疎まれ、居場所を失っていた。
そんな小春に告げられたのは、「死神」と呼ばれる御神影(みかげ)家当主・朔夜の贄嫁になることだった。
朔夜は穢れを浄化し帝都を守る神職一族の当主。しかし、その代償として人のぬくもりを失い、触れるものさえ傷つけてしまう孤独な存在だった。
だが、小春の作る菓子だけは、彼の心と身体を繋ぎ止めた。
──俺を人間に戻せるのは、お前の菓子だけだ
──そばにいろ
最初は役目として結ばれた二人だったが、互いに孤独を抱えていたことを知り、少しずつ唯一無二の存在になっていく。
だが帝都には、かつてない規模の霊災が迫っていた。
小春は、朔夜を人間として繋ぎ止める特別な「霊草ラムネ」の完成に挑む。
たとえ、彼が闇に飲まれても──
「何度でも、私は朔夜様を人間に戻します」
捨てられた菓子職人の少女が、死神と恐れられた男の唯一の花嫁となる── 互いを救い合う二人の明治和風恋愛ファンタジー。
(115,000文字程度の物語)
(表紙:かんたん表紙メーカーにて作成)