あらすじ
『会長の流儀 会長と若者の一八ホール』
事業に失敗し、追われる身となった若者。
命を守ってもらうため、たどり着いた先にいたのは、町中から「会長」と呼ばれる男だった。
昔気質の任侠道を貫き、嘘を嫌い、約束と礼儀を何より重んじる会長。
借金の回収、空き家整理、犬の散歩、祭りの手伝い、災害復旧。
どんな頼み事も断らず、弱い者には自然と手を差し伸べる。
主人公は、命を守ってもらうつもりで会長の元へ来た。
しかし会長が預かったのは、命ではない。
その若者の人生だった。
住み込みの生活。
厳しい礼儀。
仕事、武道、歴史、奉仕活動。
そして、ゴルフ。
会長にとってゴルフは、ただの遊びではない。
約束を守れるか。
失敗を人のせいにしないか。
同伴者を思いやれるか。
勝って驕らず、負けて腐らずにいられるか。
ゴルフは、その人間の本質を映し出す鏡である。
家、店、車内、仕事場、町、そしてゴルフ場。
日常のあらゆる出来事を通して、若者は少しずつ生き方を学び直していく。
これはゴルフの技術だけを描く物語ではない。
人生から逃げてきた若者が、一人の男の背中を追いながら、人として立ち直っていく物語である。