あらすじ
「ありがとうございます。こういうのって、NPCが相手でも嬉しいもんですね」
「誰がえぬぴーしーだ。俺の名はグロウだぞ」
「おお、アップデートで名前も付いたんですね?」
「名前ぐらい最初からある! 失礼な……」
☆
突然の会社倒産、200万円もの多額を費やしていたフルダイブ型MMORPG「W.Y.Z」のデータ消失。
薄給多忙だった林誠一40歳は、たった一週間の内に職も生きがいも失ってしまう。
泣く泣く初めから「W.Y.Z」をプレイすることにしたら……なぜか自分だけ、稼いだゲーム内通貨を現実の銀行口座に振り込めるようになっていた。
「もしかして、ゲームで生活費が稼げるのでは?」
無職で時間だけはある誠一はこれ幸いと、長年のゲーマー知識を総動員し金策を開始。
口座から引き落とされるデスペナルティには怯えつつも、誠一は「好きなゲームで飯を食う」夢のようなセカンドライフを歩み出す。
——だが誠一は知らない。自分がゲームだと信じているその世界が、生身の人間たちが生きる本物の異世界につながっていることを。
ログアウトすれば立ち寝して一切動かなくなる。
デスの危険を顧みず効率優先で動けば現地民がドン引き。
ただ純粋にゲームを楽しみつつ生活費を稼いでいるだけのつもりが、誠一は知らぬ間に異世界で話題の人物となっていく。
そのおっさん、ゲームをして、お金を稼いで、豊かになって、いつの間にか伝説へ――!?