あらすじ
5年戦争の終戦から10年。大手新聞社の記者・大宮は、かつて宇宙駆逐艦「島風」の主砲照準士を務めた永田という老人を訪ねた。
公式の戦史には記録されない、最前線にいた者にしか知り得ない戦場の実相。永田が語るのは駆逐艦による雷撃戦の激闘だった。突如として敵艦隊の只中に飛び出した奇襲戦や、至近弾が飛び交う中での無音の砲撃、そして一瞬の判断が生死を分けた土星沖での死闘。
「なぜ、自分たちは生き残ったのか」。
老兵の記憶を通じて、10年前の戦火が鮮明に蘇る。記者は静かな会議室で、個人の視点から紡がれる「知られざる戦記」を丁寧に記録していく。