あらすじ
処刑まで、あと十二時間。
十八歳で同僚殺害の濡れ衣を着せられ、五年間服役したミラ。
再審で無罪を勝ち取ったその日、返却された財布から、見覚えのない黒い鏡の欠片が現れる。
鏡に映った銀髪の少女は、涙を流しながら訴えた。
「私は、殺していない」
次に目を覚ました時、ミラは侍女殺しの罪で、夜明けに処刑される悪役令嬢になっていた。
凶器は寝室の枕の下。
ドレスの袖には、被害者の血。
彼女が侍女を脅していたという証言まで揃っている。
誰もが、彼女を犯人だと信じていた。
けれど、五年を奪われたミラは知っている。
嫌われていることと、殺人犯であることは別だ。
泥のついていない靴。
刃物で切り取られた青い布。
寝室から消えた杯。
証拠の矛盾を暴くたび、《真実の鏡》は隠された事実を映し出す。
そして、すべての嘘が崩れた時――
真犯人は、逃げ場のない《罪人の夜会》へ招かれる。
これは、冤罪で人生を奪われた女が、異世界で二人分の濡れ衣を晴らし、証拠だけで罪人を断罪していく物語。