あらすじ
東京の娑婆で、ナオトが、道端で、すれ違った彼女は、どこか違っていた。次の日も、次の日も、同じ地点で、すれ違う彼女さん。さほど、美人さんでもなく、一体、彼女は、何処へ行くのだろう…。ナオトは、彼女が気になる。
ナオトは、プラスチック製造工場で、働く労働者だった。毎日、同じコースを歩いて、電車に乗って、出勤していた。独身生活も、長かった。重労働、安月給、安アパート、貧乏生活、彼女ナシ。それでも、ナオトは、毎日が楽しい。それは、ナオトが、文句を言わない性格だったからだ。
あらゆる物事や人間を受け入れる、柔らかい感性のナオトの物語。そんな、ナオトの唯一の楽しみは、古いワールドレコードコレクションだった。そして、暇さえあれば、駅前広場で、夜半過ぎ、路上ライブを行った。
孤独な生活を送る人たちの集まる東京の幸福者の生き様。おじさん物書きが送る昭和バブル期のレガシー。