あらすじ

王都セレノアでは、雨は毎朝七時十分に降る。 巨大な季節塔によって一年中穏やかな春が保たれ、人々は空ではなく、時計を見て暮らしていた。 季節時計の修理師見習いトウマも、その正確な世界を疑ったことはない。 だがある朝、雨が十一秒遅れた。 時計の記録には異常がない。 あるはずのない氷が機械の内部から見つかり、雲一つない空から、一粒だけ雪が落ちてくる。 異常を調べるために向かった季節塔で、トウマは一人の少女と出会う。 彼女の名はリネ。 塔に閉じ込められた四季を解放しようとする、人間の姿をした春の精霊だった。 「この街が穏やかなのは、世界のどこかが壊れ続けているからよ」 塔の管理を信じる少年と、世界に季節を返そうとする少女。 二人は、雨を忘れた森、終わらない夏の町、雪に閉ざされた村を巡る旅へ出る。 しかし、すべての季節が解放されたとき、リネは人間としての姿と心を失い、“春”そのものへ還らなければならない。 世界を救うことと、大切な一人を失わないこと。 安全と自由の間で揺れる少年少女を描く、四季と魔法の王道旅ファンタジー。

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カクヨム
カクヨム2026/07/16
  • 現在の作品季節を盗んだ街