あらすじ
辺境伯家の令嬢ミリア・グランフォードには、誰にも言えない秘密がある。
この世界で唯一――魔力を持たない少女であること。
魔力は生命そのもの。
魔力を持たない者など存在しない。
だから彼女は幼い頃から「欠陥品」「無能」と呼ばれ続けてきた。
そんな彼女のもとへ送られてきたのは、王都から追放された第三王女アリアベル・アルセリア。
五歳の頃に発現した異質な魔力によって、誰にも触れられず、誰にも触れることができなくなった少女。
人と手を繋ぐことも。
誰かに抱きしめられることも。
ただ隣に寄り添うことさえ許されない。
王国中から恐れられ、「曰く付きの王女」と呼ばれた彼女だったが――
ミリアだけは違った。
「大丈夫。私が絶対に幸せにするから」
距離感がおかしい辺境令嬢は、王女の孤独へ真っすぐ飛び込んでいく。
誰にも必要とされなかった少女と、
誰にも触れられなかった少女。
これは、孤独だった二人が家族となり、
やがて世界でたった一人の特別になっていく、
救済から始まる百合ファンタジー。