あらすじ
人が死ぬと、その魂が光となって夜空へ昇る世界。
王立学院に通う少女リシアだけは、その光が小さな粒子の集まりであり、一粒一粒に死者の記憶が残されていることを知っていた。
ある夜、魔女として火刑に処されようとしていた女性セレナから「私を燃やさないで」という魂の声を聞いたリシア。すると彼女の前に、化学式のように複雑な光の式が浮かび上がる。
身体に導かれるまま粒子を選ぶと魔法が発動し、処刑の炎から熱が失われた。さらに粒子へ触れたリシアは、セレナが病人や負傷者を救ってきた記憶を見る。
そのとき、三百年前に魂を発見し、それを魔法と名づけた研究者エルディアス・ノアの意識が、金色の粒子を通じてリシアへ語りかける。
エルディアスが示したのは、謎に包まれた「七番目の式」。それを選べばセレナを救える一方、リシアは国で最も危険な存在になるという。
一度は拒絶するリシアだったが、善意によって人々を救いながら、その力を恐れられて処刑されようとしているセレナを見捨てられなかった。覚悟がないまま、それでも自分の意志で七番目の式を完成させ、処刑台と炎を消滅させる。
しかし、その魔法は王都を守る結界の一部まで消し去っていた。
教会と兵士に追われることになったリシアは、救い出したセレナとともに王都を脱出する。住む場所も、お金も、行き先もない。それでもリシアは、今まで隠し続けてきた自分の力の正体を知るため、セレナと新たな一歩を踏み出す。
こうして二人の逃亡生活と、失われた魂の魔法を巡る旅が始まった。