あらすじ
本日、私は二十七回死んだ。昼休みまでに。
戦争体験テーマパーク〈フロントライン・ファミリー〉では、撃たれても三秒で復活し、家族全員が英雄になって夕食までに帰れる。本物の帰還兵である案内役の槙野は、そこで客を叱らず、安全に遊ばせている。
戦争ゲームに夢中の十歳の少年・蒼は、父母と参加した市街戦で八千四百二十点を稼ぎ、最優秀兵士になる。完全制覇を目指す一家の前に現れたのは、〈武器使用不可・得点なし・所要四十分〉とだけ記された黒い扉。その先で三人は、勝利の勲章を外される。代わりに渡されたのは、前の家族が残した一枚の引継ぎ票だった。
満足度最低、閉鎖予定の最終アトラクション。その名は〈勝った翌日〉。
戦争が画面の中で終わったあと、リセットされない仕事をめぐる、家族と一人の帰還兵の近未来お仕事SF。