あらすじ

「直します。ただし、もう作られていないものだけ」 荷車にそんな木札を掲げ、町から町へ流れ歩く直し屋がいる。 名を、継(つぐ)。 廃番になった品、失われた技で作られた道具、もう二度と手に入らないもの――"世界に見放されたもの"だけを、その手は直すことができた。 壊れた品には持ち主の人生が宿っている。 亡き夫が毎晩聴いていた、とうに壊れたラジオ。 字の読めない妻へ、四十年書き続けた手紙のインク。 離縁して戻った女の、嫁入り鏡。 継は品を通して、人が手放せずにいる想いにそっと寄り添っていく。 相棒はもう新しくは生まれない最後の竈猫・オキ。 旅の途中で押しかけ弟子になった、まっすぐな少女・ちの。 そして継自身にも、たったひとつだけどうしても直せずにいる"もう作られないもの"があった。 もう戻らないものと、人はどう折り合いをつけて生きていくのか。 一話完結。 レトロな町並みで綴る、ほろ苦くてあたたかい人情ファンタジー。 〈こんな方へ〉ほのぼの&じんわり泣ける話、和風レトロな世界観、もふもふ相棒、心温まるお仕事ものが好きな方に。

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カクヨム
カクヨム2026/07/16
  • 現在の作品継ぎの旅 ――廃番のものだけ直します