あらすじ
鏡総一(かがみ・そういち)は死んだ。
原因は、スマホを見ながら道路を渡った女子高生を助けようとしたから。
彼女は無事。俺はトラックに轢かれて即死。
……まあ、いいや。だって彼女、マジで可愛いバカだったんだもん。
そう、俺には持病がある。
「バカにしか恋ができない」という、医者もお手上げの奇病だ。
天才? 興味ない。
有能な女性? 壁と変わらない。
でも、ドアに「押す」と書いてあるのに「引く」バカ? ——女神だ。
そんな俺が目を覚ましたら、剣と魔法の異世界だった。
ステータスなし。チートなし。システムなし。
あるのは、この世界が「とんでもないバカだらけ」という事実だけ。
200年生きてるのに自分の名前を忘れる幼女魔女。
左右が分からなくて軍隊を迷子にする巨乳騎士。
皮肉が一切通じない無表情エルフ。
石ころを「ドラゴンの卵」と信じて集めるセクシー魔王。
卵も焼けないのに誇りだけは一人前の王女。
俺は世界を救わない。
ただ、愛しいバカたちに囲まれて生きていくだけ。
……なのに、なんで毎回こうなるの?
「総一様、左ってどっちですか!?」
「……お前、本気で聞いてんのか?」
これは、バカを愛する男と、愛されるバカたちの、
ちょっとだけ真剣で、 mostly 馬鹿な物語。